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WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

ロボットが人間にとって変わる日

雑記
医療用麻酔ロボット、医者の職を奪うとして市場から追い出される。メーカーは3000人規模のリストラへ - Engadget Japanese

なんとも扇情的なタイトル、こういうタイトルの付け方を真似していきたいものだね。記事の要約は下記の通り。

・自動で麻酔をうてるロボットを作ったけど売れなかった
・1手技あたりのコストが1/10になった
・麻酔科医からクレームがあった、仕事が取られるからかな?
・これだけのせいじゃないだろうけど販売側のジョンジョンがリストラするらしい

この記事の素晴らしいところは3つ。
①コストの内訳を明らかにせず単純比較する潔さ

②麻酔科医の主張に対して仕事を取られるからと推察する発想力

③Sedasysの販売不振がリストラの要因とミスリーディングさせる文章力(タイトル含)

くっそー、やはり商業の記事は違うなー。ただ、僕の能力では分からないことがあったので疑問を投げさせて欲しい。

①について。Sedasysのコストというのが何処まで含まれているかが僕にはわからなかった。導入費用は、技師のラーニングコストは、メンテナンス費用は…疑問は尽きない。また、麻酔の手法を判断するには患者とのコミュニケーションと知識が必要になると思うけど、そこはどうなるんだろうか。疑問は尽きない。

②について。麻酔科医の主張に対して、仕事が奪われるとの懸念が働いたと推察した経緯が分からない。安全性や万一の自体に対する絶対的な確信があるからこそ至った結論だと思われるが、そのデータを確認してみたい。

③について。あくまで多数あるリストラ要因の1つであると理解した上で、唐突にリストラ話を文中に出したり、それをタイトルに出したりしているのは何故だろう。既得権益の打倒を目指しているからだろうか。


機械が人間にとって変わる、その時代は着々と近づいてきている。僕は機構設計者、アセンブリ工場に行くとネジ締め機や圧着機などが目に付くようになってきた。

だけど製造の主役はまだ人だ。理由は上げれば切りがないのだけれど、あえて言うなら人間は多能だからだ。

機械は人間より精密に作業ができる。しかし元々の使用用途以外には使えない。ネジ締め機ならば、Z方向だけしか腕が動かないものならば、そのままでは斜め方向のネジを締めることは出来ない。多軸の腕に変えるか、締結対象の向きを変えるための設備を導入する必要が出てくる。これが人なら「ここは斜めに締めて」というだけで済む。これと同時に前作業の確認を工程に組み込んだり、おかしな点があれば自発的に気づくことが出来る。機械は、それを検出できる様な設備を導入しなければ出来ない。一度導入した設備は用意に変えられず、工程設計は設備前提で行うことになる。これは大きな縛りだ。

技術の進歩は日進月歩、いつかはロボットが完全に人間と入れ替わる日はやってくる。だがそれはすぐではない。現行、工場で活躍しているのは単純作業を繰り返すだけのロボットだ。次はおそらく、人間の作業を補助し効率を高めるロボットが増えてくるだろう。人間が取って代わられるなら、その次だ。

充分に発達した技術は魔法と見分けがつかないという言葉がある。これだけ技術が進んだ時代、専門外のテックニュースを見れば、まさしく魔法のように何でもやれそうな気がしてくる。それはとても興奮するものだけど、地に足をつけた視点で見てみることも必要なんじゃないかな。