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【はじめての投資】株式取引の基礎~決算短信の見方と株価指標の意味~

僕が株を買う時に参考にしている指標についても紹介します。決算短信を読み解きながら、どこに着目して、どのような指標があるかを見ていきましょう。株式投資を行う上できわめて一般的かつ基礎的な内容なので、株式投資を始めようと言う人は参考にしていただければ幸いです。

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企業価値を重んじるファンダメンタル派

基本的に僕は長期的に持つ前提で銘柄探しをしています。そういった意味で株の値動きそのものよりも企業の業績を重要視しています。値動きのチャートを気にするテクニカル分析より、企業の業績や地力を元にしたファンダメンタルズ分析に寄った考え方をしているというわけです。理由は単純で、頻繁にトレードする時間が無いため、一度買ったら長期間で持ちたいからです。テクニカルは日々の値動きを追って絶えず分析し、重要なシグナルに対して素早い判断が必要とされます。そのため常に直近の値動きを把握しておく必要があります。一般サラリーマンたる僕にとっては株を確認、注文を出すタイミングというのは始業前と昼休みだけしかありませんので、市場を監視するにはちょいと厳しいです。企業業績を軸として分析する手法だと休日などまとまった時間に分析して、購入した後は基本放置ができるます。月一で月次を確認したり、四半期報告を確認する程度でいいのです。株価が多少荒く動いたところで業績がしっかりしていれば安心できるという点で、メンタルにも優しいのがいいですね。

決算短信

それでは、実際にどういうところを見ていくのでしょうか。まずは決算短信です。大体数年分を俯瞰して眺めるところから始めます。ざっくり目を通すんわけですが、特に注目しているところを下記決算短信テンプレの赤枠で示しています。実際の決算短信を眺めながら見てみるのが良いと思います。参考としてオムロンの決算短信のリンクを貼っておきますので、興味があればそちらの参照してください。

オムロンの第三四半期決算短信

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営業利益と売上

売上から純利益までの各利益について明るくないという方は下記の図を参照してください。やっぱり本業の利益というのが一番気になるところで、営業利益は売上以上に重視する所かと思います。売上と営業利益がどちらも伸びていれば文句なしですが、規模を追わずして利益性を重視して成功している企業もあるので、売上はそこまで意識しなくてもいいかなと。大切なのは本業で利益が出ていること。純利益も後述するPERの計算に使うので目を凝らしてみてみるといいでしょう。営業利益の割に純利益が高い or 低い場合はその内容を把握するために詳しく短信の中身をきちんと読んだりすると企業への理解が深まりますが、大体はのれん(企業価値を金額かしたもの)の減損だったりと僕には妥当性の判断がつかないものが多いので「これが無かったらどのくらいの利益だったのか」というのを確認する程度にしています。

 

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純利益と株主資本

株主資本当期純利益率に総資本当期純利益率、日本語だと分かりにくいですね。ROEおよびROAと言われる指標があります。ここらへんも同じ業界で比較検討するときには参考になります。近年は特にROEが注目されることが多いですが、これは株主資本に対してどれだけ利益を上げられているか、という指標です。ROAはこれが株主資本から総資産になります。ROE、ROAが高ければ何を意味するかといいますと、それだけ少ない元手で大きく儲けられている、効率の良い経営ができている、ということになります。僕はROEが10%を超えているかどうか、という点を1つの判断材料にしています。ただしROEは利益が低くても純資産が低ければそれなりの値になるんですよね。そういう意味で株主資本比率、総資産に対する株主資本の割合も気にしていて、それなりの株主資本があるんだよね?というのを確認するようにしています。購入後に放置する条件としては多少の不況で傾かないような財務健全性が必要でして、そういう意味で長期に持つなら多少ROEが低くても株主資本がしっかりしている会社の方が僕は好みですね。

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キャッシュフロー

キャッシュフローは名の通りお金の流れです。欧米の投資家たちは業績の大小よりもキャッシュがどう流れているかを気にすると聞いた事があります、利益は意見・キャッシュは現実と言ったりもするみたいですね。キャッシュフローについては営業でプラスを出しているか、きちんと投資にお金を割いているか、という点の確認をしています。財務に関しては上記2点がしっかりしてればプラスでもマイナスでもいいのかなと考えています。財務がプラスなら「おっ、頑張って投資するのか」というイメージだし、マイナスなら「配当や自己株買いで還元してくれてるんだな」という程度に考えてますね。

最後に来期予想

あとは最後に来期予想。僕が今いちばん気になっているのが、各企業のコレがどんな感じになるか、ということです。たとえ今期が調子良かったとしても今後はどうなるのか。その業界の最前線で戦っている人達が市場をどう捉えているのか…予想は確実ではないですが、興味に値する内容でしょう。 

PER

ここまでが企業活動そのものについての話。

株を買うとなるとこれに加えて「株価」という要素が加わってきます。株価については冒頭に述べましたが、僕はチャートなどはあまり参考にしておらず、PERをメインに売買するかを決めています。PERは株価収益率、「現在の株価を稼ぐのに、その期の純利益で何年かかるのか」というのを表しています。現実にはないでしょうが、PER1倍だと1年で株価分の利益を上げられるというわけで割安な状態だといえるわけです。業界によって平均PERは大きく違うので、業界平均と比較するような使い方がいいかなと思います。また、新興企業などイケイケな会社は期待が大きい分PERが高めになっています。そういうチャレンジングな会社に投資したい人にはあまりあてにならない指標ですね。

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最後は自分の感覚

数値として僕が注目しているのは以上です。あとはこれに加えて、自分が知っている業界か、その中で強みが分かる企業か、愛着があるか、という定性的な要因と「えいやっ」の精神で株の売買をしています。そんなわけで僕の保有株は一般的に知られている大企業が中心です。株を始めたあたりは札幌証券取引所に上場しているよく分からない会社を買ったりしていましたが、今となっては購入している大体の株が東証1部上場企業です。長期投資をしているとその会社に興味をもち、応援したくなってくるものです。そういう保有の仕方もいいんじゃないかと僕は思っています。利益だけに囚われずに好きな企業を買う、それは個人投資家の特権です。

いかがでしたか?最後はちょっと投げやりでしたが、株式投資を始めたいという人の助けになればと思います。

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