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WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

シャープはどうしていれば良かったのか

タイトルで勘違いされると嫌なので先に断っておくと、このエントリーでは「シャープはここでこうすべきだったんだ!経営陣、無能」などというつもりはない。

シャープの買収先がホンハイに決まっただの、保留になっただのと世間を賑わせている。シャープの新文書に怪しい内容があったのか、テリー・ゴウのディーリングなのか、一般サラリーマンの僕には分かるはずもない。それにしてもかつて日本を代表するメーカーが、製品ではなく会社の動向でニュースになるのはやはり悲しい。

かつて日本は製造業が盛んだった。車と電機は特に、日本を飛び出し世界と勝負してきた分野だ。車は今でも、それまでマツダとか日産とか色々はあったけど、車でという分野で世界と戦い、それなりの地位を築いている。しかし電機メーカーはというといまいちぱっとしない。今でも電機中心に商売をしているのはパナソニックくらいかな、というイメージだ。富士通・NECはシステムソリューション、それもお国関係のものがメイン、日立も設備や車にシステムソリューション、東芝は半導体と原子力と粉飾がそれぞれ花形となっていて、一般顧客向けの製品からはどんどん撤退していってる。ソニーはパナと並んでBtoCを頑張っているところだが、日経で書かれていたように家電やカメラなどは「あまり期待されてない分野」とされてて、金融やエンターテイメント、そしてデバイスが会社の中核となっている。三菱?彼は特別だから…。

かつての電機メーカーは大半が電機で稼いだお金で新しい分野へ足を伸ばしている、特に安定した収益が見込めるBtoBの分野へ、工場などが必要ないソフトウェアを伴いながら。BtoBはイノベーションが必要ないという点で企業からすれば魅力的な存在だ。相手の意見を真摯に聞き、出来る限り要望に沿った形で提案すればいい。多少のミスコミュニケーションはつきものだが、すり合わせをおこなっていけば双方ある程度納得した形に落とし込むことが出来る。BtoCはそうはいかない、要望は千差万別で買い手本人も自分が何を欲しているのかわからない場合もあれび、そもそも何も欲していないところに提案していかなければならない場合もある。彼らの期待に答え続けるために必要なのはイノベーションだ。性能向上、コスト改善といったものは新しい市場に対しては有効だが、そればかりだと客は飽きてしまう。今は何もかも動きが早い時代、イノベーションを起こし続けなければBtoCは成り立たないだろう。そしてこれを一社で起こし続けるのは、やはり難しい。経営としてはやはり、収益の柱をBtoBで確保しつつ、イノベーションを起こすために一定額を投資していくのが正しいのだろう。

シャープが今のような状態になっているのは、そういった安定した柱を築こうとしなかったのか、新しい分野での競争に負けて築けなかったのかはわからない。何れにせよ経営は結果がすべて、現時点ではシャープは完全に負けている。しかしまだ未来がある、かも知れない。個人的には、ホンハイに買われる方がいいと思っている。同じような性質の日本人に再建されるよりも外資が入った方が空気も変わるだろう。イノベーションとは現状からの変化、新しい刺激を受けたシャープ先生の次回作に期待。