WICの中から

機構設計者が株式投資や育児に奮闘するblog

ハイレバのギャンブルはやめて株を長期保有しよう

株式の値下げが痛かったので、仲間を探してホッコリしようと思っていたところ30歳までに1000万を稼ぐと宣言する、非常に活きのいいエントリーに出くわした。

 

blog.shinma.tokyo

 

内容の要約

・Twitterで億トレーダーたくさんいて凄い、かくありたい

・まずは元手を1000万にしてから1億を目指そう

・運用資産60万

・年収200万台

・1000万超えたら不動産も

 

FXハイレバは常人のやるもんじゃない

この筆者は投資だけで1000万を目指しているようだが、運用資産60万で1000万を目指すには、相当なハイレバレッジで負けることが出来ない戦いを勝ち抜いていくことが必要だ。FXをメインでやっているようなので、今のボラリティの高い相場で勝ち続ければ、比較的短時間で達成はできるだろう。ただしちょっと運が悪くて負けが何度か続けば、日本の25倍レバレッジでも退場となるだろう。ここに投資の才能や努力は関係ない。

 

株も通貨もどのように変動するかは分からないものだが、通貨は特にその色が濃いと僕は考えている。個別株は結局のところ業績が良ければ上がる、業績はきちんと四半期ごとに公開されるし、身近な製品だったりお店をやっている企業なら直接足を運んで景気の具合を確認することもできる。良い経営を続けている企業の株は短期的に暴落することはあっても、長期的には安定して持っていられる。しかし通貨はそこまで単純じゃない。国の各種指標、偉い人の発言、世界中の自然災害・テロ…ちょっとした事件に対して敏感に反応し、それはしばしば一般人には分からない、不意打ちのようなタイミングでやってくる。

 

まずは本業を

そもそも30歳で1000万という目標なら、普通に働いていれば目指せない額じゃない。そのためには年収200万だと無理で、収入をあげる必要がある。どうせ投資するならまずは自分に投資した方がいい。筆者の年齢は分からないが年収200万というのはバイトで達成できる数値なので、きちんと就職活動するなり、資格取得するなりしてまずは本業の収入を増やす方に使った方がいい。今の時代、そう簡単に行くかよ!という意見があるかもしれないが、投資で60万を1000万にするよりも年収を200万から400万にする方が圧倒的に現実味がある。20代というのは、その気になればなんとかなる年代だ。羨ましい。

 

現状が200万で生活できているとすれば200万をためることが出来るので5年くらい頑張れば1000万になりますね。本業のお金をコンスタントに投資に回せられるようになってから、本格的に投資を行えばいい。税金などの野暮な突込みは無しでヨロシク。

 

不動産投資は闇

不動産投資についても勉強しているということなのでこちらにも意見を述べておこうと思う。まず1000万という資金で買える物件はそうそうないし、きちんとした仕事についておかないと融資がでない。それと、いい物件というのはお金持ち優先で紹介されていくので、普通の人のところに回ってくる物件は収益をそれほど期待してはいけない。リノベーションや宣伝で収益率を上げる方法もあるだろうけど、それにもお金がかかる。僕も不動産投資に興味を持っていた時期があったが、人口の減りゆくこの国で多大な借金を抱えてマンションを経営していくのは割に合わないなという結論に達した。不動産はプロがたくさんいる分野で、なおかつ普通の人にはあまりなじみがない。ちょっと勉強しただけの副業で利益がでるならプロは苦労しないし、不動産業界はホワイトなはずだ。しかし現実には不動産業界はブラック、無茶苦茶なマンション売り込みなど日常茶飯事だ。プロをなめてはいけない。

 

投資するなら株の長期

最後に僕の意見。僕は投資自体はかなり前向きだ。長期金利がマイナスになるような時代、貯金していてもコーヒー代くらいしか利子はつかない。すぐに使わない資金を眠らせておくのは勿体無い。そこで僕がオススメするのは、株式の長期保有だ。もちろん、現物の範囲で。僕はバフェット信者なので安い時期に、自分が理解できる事業を行っている企業を買うのが好きだ。買う銘柄は別に個人の自由だし、自分の好きな企業、応援したい企業を買うのでもいいと思う。愛される企業には理由があり、そういった強みを持っている企業はそう簡単には潰れない。ただソーシャル系の分野はゲームの当たり外れで浮き沈みが激しいし、ゲームの当たり外れは予想が利かないのであまりオススメしないが。

長期投資はいい。買う銘柄、タイミングにだけ気を使い、買った後はドンと大きく構えて保有しておけばいい。きちんと利益を出している会社なら2~3%くらいは配当が出るし、株主優待がもらえることもあるだろう。業績が順調なら株価も上がるタイミングがある。好きなタイミングで売り買いできるのが現物株の強みだ。一発逆転というほどの利益を出すのは難しいが、周りの人よりもちょっと贅沢するくらいはできるだろう。

 

投資は余裕資金で、現物で済む範囲に、長期的に持っていられる銘柄を!これが僕の意見。

そうはいいつつ

僕の他のエントリーを見ている人は思うだろう。「現物株の長期投資とか言ってるけど、お前は日経やオムロンの株価で一喜一憂してるじゃないか!いい加減にしろ!」と。その通りだ。上記のことは自分への戒めも兼ねて書いている。長期で持っていれば…600円で買っていたアローズは、この暴落を経てもなお4500円もある。サンマルクも、日東電工も、良品計画も…悔やんでも悔やみきれない。みんな、長期投資はいいぞ。

 

 長期投資をしようと思った時に読んだ本

僕の投資スタイルはウォーレン・バフェットに感化されたもので、下記の本を読んできました。もし「投資で稼ぐ」ではなく「投資で利子よりプラスにしよう」というマインドの方がいましたら、参考になるのではと思います。最後に、投資は自己責任で!

賢明なる投資家 ? 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

賢明なる投資家 ? 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

  • 作者: ベンジャミングレアム,土光篤洋,Benjamin Graham
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 38回
  • この商品を含むブログ (18件) を見る
 

 

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

  • 作者: メアリー・バフェット,デビッド・クラーク,井手正介,中熊靖和
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2002/05/20
  • メディア: 単行本
  • 購入: 6人 クリック: 110回
  • この商品を含むブログ (66件) を見る
 

 

(6/26 イギリスのEU離脱を受けて)

先週の金曜日、イギリスのEU離脱をかけた国民投票は為替のボラリティを歴史的水準まで引き上げて、為替市場はカジノと化した。大相場は人の欲を刺激して一攫千金を夢見た個人が飛び込んでいっては消えてしまった。正直この相場で退場する人は完全に自業自得だろう。見えていた地雷だ。

投資をしていると、たまーにこういう大相場に出くわす。多少の火遊びくらいならいいんだけれど本気になってはダメだ。ボラリティの高い相場は何が起こるかわからない。そこに多くのリソースを突っ込むのは完全に自殺行為だ。人は「自分だけは助かる」というよくわからないポジティブシンキングに陥ることがあるものだけれど、現実は厳しい。というわけで安くなった株を少しずつ買い集める作業に移ろう。